相続対策は「早めに準備しなければ・・・」とは思うものの、ついつい先延ばしになってしまい、その時になって慌ててしまう場合がほとんどです。そこで、相続について気になっている今この瞬間から、相続対策を始めましょう。
相続対策には大きく分けて3つに分かれます。
1.争族対策(もめない対策)
2.節税対策
3.納税資金対策
ある程度の遺産があったばかりに、相続が発生すると同時にそれまで仲の良かった兄弟の関係が悪くなったり、「うちの家は財産はあまりないから・・・」と放っておいたばかりに、後になって遺産分割問題で身内同士でもめてしまうケースは多々あります。
そうならないためにも日頃から下記のことが考えられます。
1.自分の財産を、どのように相続してほしいかを明確にしておく
2.遺言書を作成し、自分の意思をはっきりさせておく
3.財産を分けやすくしておく
4.財産を不動産ばかりに偏らせない
5.建物ではなく、土地で残しておく
プロフェッションズでは『争族対策』の段階から、複雑厄介な相続対策のお力になります。
相続に関する節税には大きく分けて2つの考え方があります。
1.贈与を活用すること
2.財産評価を下げること
『贈与』については贈与税のかからない範囲で長期間にわたって贈与を行なうことで、相続税を抑えることができます。
また、相続税の算定基準そのものを大きく下げ、財産評価を下げることで、相続税を大きく減額することもできます。例えば
1.更地にアパートやマンションを建て、相続税の評価額を減額する
2.アパート建築費を借入にて賄い、相続税を減額する
3.土地・固定資産そのものものに再評価による評価額の軽減など
これらは所得税、固定資産性の節税にもつながる非常にポピュラーな方法です。
しかしながら、これらの節税対策は相続に対する専門知識と実績がある税理士に依頼するか、そうでない税理士に依頼するかで、相続税が大きく異なりますので、誰に相談するかがポイントとなります。
そして最後は納税資金の確保です。
相続税の申告期限は相続開始を知った日から10ヶ月以内ですが、相続税を一時に納付できない場合には税務署長の許可を受ければ延納が認められます。また、延納によっても金銭による納付が困難な場合には納税者の申請によって物納も認められます。
しかしながら、延納の利子税は高く、相続税をはらうためにその後の生活を犠牲にすることは避けたいですし、「この土地は、このぐらいで売れるだろう」といった希望的観測は、思うように売却できなかった場合には最悪の事態を招く場合もありますし、不動産の一部だけ売却したり物納することが困難な場合もあります。そこで、残された家族を考えて、前もって納税資金を用意してあげることが大事です。
そのための基本的な考え方は
1.流動性の高い資産(現金、預金、死亡退職金など)を保有しておく
2.生命保険に加入して、死亡時には保険金を受け取れるようにしておく
3.上場有価証券、ゴルフ会員権など換金性の高い資産を保有しておく
などがあります。
いずれにしろ、『今、万一のことがあった場合、相続税がいくらかかり、そのためにどれだけの資金が準備できているか』を知ることが納税資金対策の第一歩です。
相続税は、相続または遺贈(遺言によって財産を取得した場合)によって一定額以上の財産を取得した場合にかかる税金を言います。ただし、遺産の評価額が基礎控除の金額以下であれば相続税はかからず、税務署に対する申告も必要ありません。
1.課税価額の算出
相続税の課税価額= 遺産総額 - 債務・葬式費用 - 非課税財産
2.基礎控除の算出
基礎控除=5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)
3.相続税を申告すべき人
相続税の課税価額 > 基礎控除額(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)
以上のStepを踏んで相続税が発生するか、基礎控除の範囲で収まるかが決まりますが、1の課税価額の算出(特に遺産総額の算出)は専門家でも十分な知見がないと難しく、判断がわかれる部分です。まずはプロフェッションズで、もし万一にのことがあった場合に、相続税はいくらかかるのか?を相談してみましょう。
法定相続人とは、被相続人が亡くなったときに、相続する権利がある人のことで、法定相続人は法律で対象者と優先順位が規定されています。
1.法定相続人について
■被相続人の配偶者:順位に関係なく常に相続人です
■血族相続人
第1位:子(実子・養子・嫡出子・非嫡出子は関係なし)
第2位:直系尊属(非相続人の父母や祖父母など)
第3位:兄弟姉妹(代襲相続人含む)
2.法定相続人の相続割合
■法定相続分(割合)
血族相続人
子 2分の1
直系尊属 3分の1
兄弟姉妹 4分の1
配偶相続人子との組合せのとき、2分の1
直系尊属との組合せのとき、3分の2
兄弟姉妹との組合せのとき、4分の3
相続税の納付は相続税申告書の提出日(相続開始を知った日から10ヶ月以内)ですが、相続税を一時に納付できない場合には税務署長の許可を受ければ延納が認められます。また、延納によっても金銭による納付が困難な場合には納税者の申請によって物納も認められます。
しかしながら、延納の利子税は高く、資産の売却等も思い通りの価格で売却することが困難な場合もありますので、残された家族を考えて、前もって納税資金を用意してあげることが大事です。
いずれにせよ、相続は発生してから慌てないように早め早めの相談と対策が必要です。
相続税の節税対策の一つに『生前贈与』があります。これは生前に個人の資産を家族等に譲り渡しておく(贈与する)方法です。一般的に、贈与税の税率は相続税の税率よりも高く設定されていますが、贈与税の基礎控除や配偶者控除、相続時清算課税制度を活用することで相続税を安く抑えることができます。
1.贈与税の基礎控除の活用金額/年の上限
贈与税は年単位での課税で、基礎控除は毎年110万円まで認められています。それゆえ、一人当たり毎年110万円ずつ贈与することで、相続財産を減らすことができます。
人数の上限
贈与税の基礎控除は毎年1人110万円まで認められていますので、多くの人に贈与を行うことで、相続財産を減らすことができます。
備考
但し、贈与をしてから3年以内に相続が発生した場合は相続財産として課税されますので、3年以内の相続が予期できる場合の贈与は節税効果はありません。
贈与税の配偶者控除
配偶者が居住用不動産の購入またはその建築資金を贈与されたときに、贈与された金額から2,000万円まで控除することができるという制度
配偶者の要件
婚姻期間が20年以上で、同じ配偶者からの贈与について、過去にこの特例の適用を受けてないこと。
贈与財産の要件
贈与財産は、居住用不動産又は、居住用不動産の取得資金のいずれかであること
その他の要件
・贈与された年の翌年の3月15日までに贈与された居住用不動産、または贈与された金銭で所得した居住用不動産に居住し、その後も引き続き居住する見込みであること。
・一定の書類を添付して、贈与税の申告をすること
相続時精算課税制度は
親から子へ財産の移転がスムーズに行われるように、選択制の下、相続税と贈与税を一体化させて贈与時の税金を安くして、相続のときに相続税で精算する制度です。この制度を選択すると生前の贈与に対して2,500万円の贈与税の非課税枠が与えられます。
適用要件
・親は贈与をした年の1月1日で65歳以上であること
・子は贈与をした年の1月1日で20歳以上であること
※子が亡くなっている場合には、20歳以上の孫も含む
税額の計算
【相続時】
・ 相続財産の価額に贈与時の価額を加算した額により計算した相続税額から既に納めた贈与税を控除
・ 債務及び葬式費用については、相続財産の価額に贈与時の価額を加算した額から控除
・ 控除しきれない贈与税は還付
【贈与時】
・ 特別控除として2500万円を控除。残額は翌年に繰越し
・ 特別控除を超えた部分について一律20%の税率で課税
住宅取得資金に係る相続時精算課税制度の特例
住宅の取得等に充てるための資金を贈与により取得した場合、2,500万円の相続時精算課税制度の特別控除額に1,000万円の特別控除額が上乗せされ、3,500万円まで拡大されます
この他にも相続には様々な対策がありますので、早めに信頼できる専門家へ相談されることをお勧めします。